3月
卒園を迎えて
ご存知のように、私は還暦を過ぎました。
他の人からは「若いですね。」と言われる時があります。喜んでいいのか、単純な人間として受け止められているのか、時々考えてしまうことがあります。
若いですねと、言われるには毎日園児たちと接している為かなと思います。昔のように元気に動き回ることはできませんが、時々朝の日課に加わったり、クラスに行って絵本を読んだり、また合同礼拝で聖書のお話をすることは今でも続けています。
園児たちと触れ合うことは若さの秘訣かもしれません。
私の同年齢の人たちで退職をし、悠々自適な生活をしている人を見かけます。自分のしたいことをしているといつの間にか人との触れ合いが面倒になってしまい、一日家で過ごす人も多いようです。
でも奥さん方は遠慮なく外に出ることが出来るのでご主人よりも長生きする方が多いです。実際平均寿命は女性の方が7歳も長いです。
私がこの年になっても思うことは、人と人との触れ合いが大事と言うことです。これは乳幼児にとっても同じです。
園生活は集団生活です。人と人との触れ合いの中で生きて行きます。自分一人でないので家に居る時のような我儘が通りません。また、他の人との触れ合いにおいて社会性を身につけることが出来ます。
兄弟の多い人は生活力が強いと同じように集団生活で乳幼児期を過ごす子どもは社会性の基礎が養われています。学校に行っても自分のすべきことがわかります。
乳幼児期に社会生活を経験していると、大人になって多少の人間関係に困難があっても乗り越えることが出来ます。相手と付き合うにはどうしたらよいかが身についているからです。
卒園する皆さん。入園当初は人との触れ合いに戸惑いましたね。園に来るのが怖くなっていました。今は友達との触れ合いが楽しくなっています。
それぞれの学校に分かれるのが寂しい気がします。でも新しい小学生の生活も楽しく迎えられるでしょう。園長先生はみんなのためお祈りしています。新しい友達との出会いを楽しんでください。
2月
預かる場から「 育つ場 」へ
昔、保育園は子どもを預ける所。保育園側も子どもを預かっているという認識がありました。ですからお迎えまで怪我なく楽しく過ごせたらそれでよし、と言う雰囲気でした。
しかし私は開園当初から34年間、お子さんを預かっていて子どもの成長過程を見てきました。毎日見る子どもの成長の早さに驚きを感じています。そこで確信していることは成長の早い時期の幼子に教育が必要であるということです。
幸い、和子先生は大学で教育を専攻していましたから教えることには心配がありませんでした。あれから34年、こひつじ園はただお子さんを預かるだけの所から子どもが育つ場、人間形成が行われる所と認識して保育をしてきました。特に幼稚園を併設してからより効果が上がるようになってきたと思っています。
幼子の教育成長において3歳まで甘えを受け止めてあげることが大切です。抱っこの求めは甘えの具体的な表れです。「抱っこ癖」という言葉があります。これは小さいときに思いっきり抱っこしてもらえなかった子どもの中に甘えに対する欲求不満の表れです。
充分に甘えられた子どもは3歳頃になると興味が外に向いていきます。覚える楽しさ、皆で遊ぶ社会性のあり方を身体で学ぶことが出来ます。探索心です。色々なものに興味が向き「これなあに、あれなあに」と質問が起こってきます。
社会性には自分で考えて行動する脳の働きが芽生えてきます。さらに成長すると、見ること、聞くこと、読むこと、書くことに心が向いていきます。努力する楽しさを経験するようになります。
園側に必要なことはそれらの子どもの成長に添った備えがあるかどうかです。その時、その時の子どもに柔軟に対応できる園が、子どもを育て教育することの出来る園になります。その為スタッフは日々努力をします。
自分に対する研鑽が必要です。子どもの成長に喜びを覚えながら仕事に励みます。そして希望を持って送り出すことが出来ます。
これは園が一つの目標を皆で共有し、それぞれが今自分の出来る仕事をすることによって子どもの包括的な成長がはじめて可能になります。保育の仕事はとても奥が深い働きです。
1月
ひとりひとりに向かう愛で
2012(平成24)年を迎えました。昨年は千年に一度といわれる巨大地震、津波、それだけでなく放射線漏れが起こり日本中試練を迎えました。しかし外国の人が驚くような協力と絆で一つひとつ前進してこの年を迎えました。
そんな中でも園児たちは毎日成長しています。昨年1月に生まれたお子さんがひよこ組にいます。入園児にはただ抱っこされていただけですが今は四足ですばやい動きを見せています。もうすぐ独り立ち歩きをするでしょう。
一年間の成長は本当に早いものです。私たち保育、教育をするものが子どもの成長をきちんと見極めて必要なそして適切な援助をすることは大切です。時にかなった援助を受けたお子さんはきわめて順調な育ちをします。
「こひつじ園」の一年は4月に始まり次の年3月に終わります。ですから1,2,3月は最後の時期です。
年長さんは今年4月小学生になります。在園生は新しいお友達を迎えてお兄さん、お姉さんになります。一年のまとめの年でもあります。
私たちの園で大切にしてきた保育指針は聖書です。聖書の基本は「神は愛である。」です。それも「10束ひとからげ」でなく、ひとり一人を大切に見守ることです。それによって園児たちは自分が大切にされている思いを持つようになります。神様の愛は一人ひとりに向かい合う愛です。
3歳児、4歳児、5歳児クラスには職員が複数います。一人受け持つ園児数は15名前後です。このくらいが目の届く人数です。これは国の基準よりも受け持つ園児数が少なくなっています。
神様は100匹の羊のうち1匹がいなくなったら見つけるまで探し出すと聖書に書いてあります。100人の内一人くらいいいや、でありません。何人いても一人の価値は変わりません。
運動会の練習は身体を鍛えます。クリスマス会の練習は頭脳を刺激します。せりふを覚えたり、10曲以上の歌詞を暗記したりします。最後の学期は心を大切にしていきます。イエス様が教えられた「主の祈り」を暗記します。これは全世界で共通した祈りです。
困難、試練は絶えずありますがそれを乗り越えられる力を持った子どもになって欲しいと祈っています。子供は素晴らしい可能性を持っています。今年もよろしくお願いします。
12月
クリスマスは「 神の愛の出来事 」
12月はクリスマスの月です。日本では11月中ごろからクリスマスの言葉が聞こえるようになりました。
「クリスマスは何の日ですか。」と聞くと、こひつじ園の子どもたちは「イエス様の誕生をお祝いする日です。」と答えます。ほとんどの人がこの事実を理解しています。
しかし2千年前に沢山の人の誕生があったにも関わらず、ただイエス・キリストの誕生だけが世界中で長い間お祝いされているには大きな意味があります。
クリスマスのことを教えているのは聖書です。聖書には「神はその独り子(イエス・キリスト)をお与えになったほどに、世を愛された。それは独り子を信じる者が一人も滅びないで永遠の命を得るためである。」(ヨハネ福音書3章16節)と書かれています。
ここには神様がイエス・キストを人間として誕生させ、人間の苦しみ、悲しみ、そして喜びを経験させ、そして私たちの罪を全て引き受けてくださり、十字架にかかって死んでくださったことが言われています。ですからイエス・キリストの誕生は人類に救いをもたらしてくださる出来事なのです。
何故、神は私たちを罪から救われるのか。聖書には「神は世を愛されている。」と書かれています。
聖書に啓示されている神様は「愛」の神様です。私たちを裁く神ではありません。その愛には差別はありません。全ての人が神様の愛の対象になっているのです。
私も神様に愛されている一人です。この事実が2千年間受け継がれてきています。
クリスマスは神の愛の出来事です。「神様は独り子をお与えになった。」これは神様からのプレゼントです。
クリスマスにプレゼントをする習慣はここにあります。プレゼントは受け取るだけでいいのです。クリスマスは神様が最高のプレゼントを私たち人間に与えてくださった大きな恵みの時です。そして多くの人が神様からのプレゼントを受け取っています。
クリスマス。世界でこれほど大きな喜びの日はありません。その素晴らしさが本当に分かる場が教会です。
水郷めぐみ教会(平山園長が牧師をしています。)では12月4日を皮切りに12月25日まで色々なクリスマスの行事をします。是非、教会においでくださり神様の愛を共有し本物のクリスマスを体験してみませんか。お出でをお待ちしています。
※水郷めぐみ教会の予定です。
■12月24日(土)よる7時〜 キャンドルサービス
■12月25日(日)午前10時30〜 クリスマス礼拝
■12月25日(日)午後2時〜 子どもクリスマス会
どなたもお気軽にお越し下さい★
11月
保育の中のカウンセリング
私は20年前に東京に通いカウンセリングの学びをしました。
初級、中級と進み最後は泊まり込みでの学びでしました。そこでの収穫は自分の姿を客観的に知ることが出来たことです。
ロールプレイがありそれをビデオに録画しプレイが終わると映像を見ながらみんなで批評し批判しました。私もその中の一人になって自分のビデオを見た時それまで気づかなかったことが沢山あり自分はこんなことをしていたのかと驚きを感じました。
その学びは「交流分析」といいます。日本でのカウンセリングは20年くらい前から一般的に広がり始めました。
企業において、病院の医師や看護師。そして今は学校カウンセリングも設けられています。
保育界においても同じです。保育カウンセリングがあります。
カウンセリングの基本は人間関係です。カウンセリングの言葉に「相手と過去は変えられない。変えられるのは自分と将来」があります。人間関係において難しさを感じる時、相手がもう少し私のことを理解できるようになってくれたらと思う時があります。そうすれば上手く行くのにと考えます。
しかしこれは難しいことです。相手はなかなか理解してくれません。夫婦でも相手の気持ちを自分の思いのままに変えることは至難の業です。
変えることが出来るのは自分です。そうすれば相手も変わって来ます。
カウンセリングの目指す一つは自分を変えることにあります。もう一つは相手を受け止められるようになることです。
私たちは園児に向き合う時に心掛けることは相手の気持ちを理解し受け止めるようにすることです。「受容」と「共感」です。
受け入れられた思いは小さい子供でも嬉しさが湧きます。具体的な言葉として「あ、そうなの。」があります。返事一つで気持ちが変わります。「ダメでしょう、そんなことをしては!」は自分が否定された気持ちになり、受け入れられている気持ちにはなりません。
受け入れてもらっている、共に感じてくれる思いが大事です。信頼関係が強まります。言葉のやり取りはとてもたいせつです。これはすぐにできることでもありません。ある程度の訓練と学びが必要です。
カウンセリングに興味のある方は連絡してください。共に学べたらと思います。
10月
みんなの力が一つになる運動会
「こひつじ園」で、最も大きい行事である運動会が予定通り行われました。皆様のご協力を感謝します。
一週間前から長期予報がテレビで流されます。毎日、何回も見ます。
最初、土曜日の予報に傘マークがついていた時は心配しました。予定通り出来なかったら影響は大きいです。何とか予定通りにならないか毎日お祈りしていました。
木曜日から傘マークが消え、金曜日には晴れマークがつくようになりました。これを見て本当に安心しました。
当日は雲に覆われていましたが予定通り行うことが出来嬉しく思っています。
私たちの運動会の特徴は三世代参加型です。園児も親もお爺ちゃんおばあちゃんも参加します。このスタイルは30年前から続いています。
綱引き、今年は大人用の綱を買いました。いつもは子ども用のを使い、切れる心配をしながらでしたが、今年は思いっきり力を出して頂きました。
予定では2回戦でしたが「もう一回したい。」との声があり3回しました。誰でも力を出し切れるスポーツです。応援する園児たちも力一杯の声援でした。
祖父母の玉入れ、「孫たちに勝たせてあげような。」と話しながら行進です。1回戦は園児たちが勝ちました。それを見てからは本気モードに切り替わりポールの先に高くつけられた籠に向かって次々に投げられる玉は上手に入って行きました。
結果は祖父母の勝ちです。孫に勝った時の喜びにあふれた笑顔が素敵でした。
それぞれ楽しい思い出を胸に秘めて今年の運動会も終わりました。泣いて参加できないのではと心配していたお母さんも、胸を張って堂々とお遊戯をしている子どもの姿に感動を覚えたと連絡ノートに感想を書いてくださいました。
マーチングバンドもそれぞれ持てる力を発揮してくれました。34年前の園児も今の園児も頑張っている姿は同じです。
職員も頑張って指導・準備をしました。みんなの力が一緒になって出来た運動会です。子どもたちにとって園は楽しいところになっています。
9月
「愛情」という肥料で
9月を迎え秋の涼しい風を感じられるようになりました。今年の夏も猛暑が続きましたが一雨で気温が10度も下がるような不順な夏でもありました。
また、震災の後遺症(電力不足、放射線等)も私たちを心配させました。
しかし、夏になりいつもと変わらないのは雑草です。津波に遭った地域でも、放射線に汚染された地区でも雑草はいつもと同じように育ちました。
「雑草のように」と言う言葉で表わされているのは「たくましさ、力強さ」です。しかし雑草は一面私たちを困らせることでもあります。
今年も8月に園整備で草抜きをしていただきましたが、雑草は所かまわずに生えてしまいます。植木の中でも野菜畑の中でもどんどん大きくなりそのまま置いておくと植木も野菜も弱ってしまいます。庭にも生えてきます。
イエス様の御言葉に「雑草が作物を覆って収穫が出来なくなってしまう」との言葉があります。雑草の力強さが返って人間を困らせることになります。
今年も園の菜園の草抜き、緑地の草抜きを一生懸命しました。その甲斐あって緑地のサツキも喜んでいるように緑を濃くしきれいになりました。菜園の夏野菜も収穫できました。
私たちの心の中にたくましく育つものがあります。たくましさは悪いことではありませんが他のよい点を押しのけてまで雑草が育ち、本来育って欲しいと期待している物が塞がれてしまうことでは困ります。
言葉を覚えたての子どもは「ありがとう」よりも「馬鹿」と言う、人を嫌な気持にしてしまう言葉を早く覚えてしまいます。そして注意してもなかなか直りません。
嫌なこと、人を傷つける言葉にたくましさを感じる時もあります。そのままにしておくとどんどん広がって行きます。幼い時に芽生えた雑草は早く抜き取らなければなりません。小さな雑草は簡単に抜き取ることが出来ます。
私は畑でも庭でも草抜きをします。抜いた後を見るときれいになり気持ちよくなります。
悪いことほど早く覚えると言われています。迷惑な雑草に力強さを持たせるのでなく「明るさ、優しさ、思いやり」に力強さを持たせたいです。
それには「愛情」と言う肥料が大切です。愛情は言葉から始まります。
私たち大人が語る言葉を子どもはそのまま真似ます。聖書の言葉「いつも、塩で味付けされた快い言葉で語りなさい。」
話す言葉には注意したいですね。
8月
夏だ!バイブルキャンプ!
わたし達の教会(水郷めぐみ教会)では毎年7月に、卒園生を対象に二泊三日でバイブルキャンプをしています。もう35回になります。
今年も7月26日~28日まで小学生と共に行うことが出来ました。ここでは聖書から何が良いことで何が悪いことかを学びます。それだけでなく白浜の自然を満喫します。
男の子はカブトムシ捕まえに夢中になり、女の子はそれぞれ遊びを見つけて楽しんでいます。
野外炊飯で食事を作ります。火起こしから始め、食材を整えるまで全部手作業です。ガスも電気も使わないで食事を作るのは良い経験です。
まず火起こしから始めます。マキが燃えたら「あ、煙が出ている。」と驚いた子がいました。家では経験できないことです。火を得ることは簡単ではありません。火がないと野外炊飯は始まりませんから、みんな一生懸命に火起こしをします。
火はどうしたら燃えるのか。学校では学んでいるようですが実際にしてみると難しいようです。色々と工夫して火力をつけます。やがてマキは勢いよく燃え上がりました。後は食材を鉄板に乗せて炒めるだけです。
そして何よりの楽しみは、こひつじ園の同窓会が出来ることです。幼稚園、保育園時代は地域的に広いところから来ています。卒園後はそれぞれの学校に進み分かれてしまいます。バイブルキャンプでは久しぶりに再会し楽しいひと時を持つことが出来ました。
みんな身体は保育園時代より大きくなっていますが、気持ちはこひつじ園時代と同じです。本当に喜んで再会を楽しみました。
ご存知の通り今、茨城県の学力は全国平均より下と結果がでました。県教育委員会では何とか成績を上げようと夏休みでも補習授業をしています。そのためキャンプに参加したくても参加できない子供もありました。
学校の授業は大切です。それと同時に自然の中で家から離れて生活することは、学校で学べない多くの事を学ぶことが出来ます。
一人の人間が総合的に成長するのにはバイブルキャンプはとても良い経験です。毎年しています。来年もします。家や学校では出来ない経験を体験させてあげたいです。
7月
暑さと節電
今年の夏はいつもと違う様相を見せています。いわゆる電力(エネルギー)不足です。
これは東京電力管内だけでなく日本全体が同じ状態です。電気を作る原子力発電所が機能しなくなったためです。
政府は15パーセントの節電を企業や家庭に求めています。夏場に一番電気を必要とするのがエアコンです。今はどこの家にも職場にもエアコンが常備されています。そのおかげで暑い夏も涼しい空気を受けて快適に過ごすことが出来ます。
保育園も幼稚園もエアコンが整っています。エアコンは電気器具の中でもっとも電力消費量が多いと言われています。しかし今年は事情が違います。なるべくエアコンを使わないで快適に過ごす工夫が求められています。
考えてみるとエアコンが「こひつじ」に付けられたのは創業20年目でした。20年間はエアコンなしで保育をしてきました。ですから30代の親御さんたちは保育園、幼稚園時代にエアコンなしで生活してきたと思います。
私の妻は(和子先生)山形出身です。毎年、正月とお盆に帰省していました。まだ東北縦断道路が途中までの時代です。私の自動車にはエアコンがなく窓を開け10時間以上かけて家族4人で山形まで行っていました。隣に走っている車は窓を閉め切っていたので暑くないのかなと不思議に見ていたのを今でも覚えています。
20年間エアコンなしでの保育で熱中症になった園児はいませんでした。しかし今は熱中症が心配になっています。と言うことは熱中症に対しての抵抗力が以前と比べると弱くなっているのかも知れません。
夏は体力をつける季節とも言われています。大人が感じる暑さと園児の感じる熱さには差があります。「暑い、暑い」の連発でなくいかに暑さを楽しむか、そして暑さに負けない体力を養うかを考えながら保育に進んでみたいと思っています。
震災直後、私たちは水洗トイレも水道水も使えない生活を経験してきました。この夏は大切な電力をどのように使うかを考える良いときになると思います。
6月
東日本大震災
3・11の地震からもう3ヶ月になろうとしています。あの時の地震の揺れは今でも身体に記憶されています。
余震もだんだんと少なくなってきました。しかし目に見えない、体に感じない危険が襲っています。放射線です。
原発は電気を作るにコストでも環境面でも大いに進められて来ていました。私たちはそこで作られた電気を自由に使い生活を快適にしてきました。
今は電気の使い方に工夫を強いられています。それと同時に原発から発する放射線にさらされています。原発近くの人たちは家にも帰れない離れたところに避難しています。大変なことが起こってしまいました。
放射線に汚染されたと茨城産の農産物が敬遠されています。農家にとっては打撃です。福島では校庭の土を削り取って放射線の除去をしています。でも事故が収まらないと放射線は降り注いでいます。
私たちの潮来はどうなっているのでしょうか。今は潮来市のホームページに定期的に測定したデーターがあります。国の定めた基準よりも遥かに低い数値が出ていますので安心です。
東京オリンピックが行われた前後、中国では大気圏内で原爆実験が多く行われていました。そこで発せられた放射能は偏西風に乗って日本に飛んできました。その時言われたことは「雨が降ったら外に出るな。頭が放射能にやられて禿げてしまう。」でした。
ですから当時は原爆実験の放射能が今よりも遥かに危険性を持って我々を襲ったのです。しかしその後の調査でも放射能によって病になった人はいなかったと報告されていますし、私も放射線によって病になっていません。
福島の原発事故から発せられている放射線はここ潮来においては値が低いです。かえってCTやMRAのレントゲンで受ける放射線の値が高いと言われています。
今はデーターに元付いた客観的な見方で対処するのが一番安全かと思っています。そして、子どもたちには不必要な不安を与えないで、のびのびとした生活をさせていきたいと思っています。
5月
あなたの父母を敬え
こひつじ園では毎月聖書の御言葉を暗唱しています。お子さんが家に帰ったらその言葉を披露していると思います。
5月の御言葉は毎年同じ言葉です。「あなたの両親に従いなさい」です。
子供にとって「従う」言葉は難しいので、園は「大事にしなさいとか大切にしなさい」に言い換えて話をしています。
私たちの国、日本は親子関係が厳しく決められていました。家で一番偉いのはお父さん。ですから私の子ども時代は一人一人にお膳があり、食事の時にはお父さんが一番上座に座っていました。お母さんがご飯を盛るのもお父さんからでした。おかずもおいしいのはお父さんからで、次に長男の私がお父さんからいただきました。
一昔前父親の権威は絶対的でした。それは日本の良き伝統として長い間受け継がれていました。
聖書はモーセの時代に神が人間の守る大切な十の戒めの一つとして教えられたのが始まりです。「十戒」です。今から約四千年前のことです。そこを読んでみると行なっていけない戒めが色々書かれていますが、一番先に行わなければならないこととして書かれているのが「あなたの両親に従いなさい」です。
日本では父親の権威が重んじられていましたが、聖書ではあなたの父親に従いなさいと教えているのでなく「両親」です。お父さんとお母さんを指しています。これは嘘を言ってはいけません、殺してはいけません等の先に一番大事なこととして神様が教えられたことです。
人間の基本は両親があってのことです。今の時代、子どもの権利が広がり親の権威は段々と低下しています。新約聖書はモーセの十戒にこう付け加えました。「子どもたち、主に在って両親に従いなさい。それは正しいことです。父と母を敬いなさい。そうすれば、あなたは幸福になり地上で長く生きることが出来ます。」
私たち人間社会の基本はここから始まるのではないでしょうか。
4月
新年度をむかえて
2011年3月11日午後2時45分ごろ、園では評議委員会が行われていました。
2時に始まり、私が立って最後の説明を始めたときです。ゆらゆらと動く感じがしました。
「あれ、血圧が上がってきたかな」くらいにしか思いませんでした。しかし揺れは止まず段々大きくなってきました。
「地震だ、でもすぐに収まるだろう」と思って説明を続けました。揺れは収まるどころか急に大きくなり園舎がぐらぐらと揺れ始めました。
これは普通の揺れと違うと感じ急いで外に出て保育室を見ました。園児たちはお昼寝が終わりおやつを食べていた時でした。
余りの大きな揺れに「みんな外に!」と叫び、全員が園庭に出ました。園では毎月「避難訓練」をしていましたので園児はあわてることなく、いつものようにスムーズに園舎の外に出ることが出来ました。
押し合うこともなく、倒れて怪我をするもこともありませんでした。しかし揺れはなかなか収まらず危険を感じ園舎に入ることは出来ませんでした。
園庭にブルーシートを出し毛布を出しお迎えにくるのを待っていました。保護者の方々が次々に迎えに来てくださいました。ある方は橋の手前に車を置き歩いてこられました。ある方は自転車で来られました。
日が落ちてきたので園バスとワゴン車に移動しエンジンをかけ暖を取り車内に明かりをつけました。最後のお子さんは翌日の1時ころになりましたが無事全員お迎えが出来職員一同ほっとしました。
こんなことは千年に一度のことと地震学者は語っています。潮来でも日の出地区は大きな被害に遭われました。心からお見舞いを申し上げます。
園児たちも怖い経験をしました。怖さを忘れるのには園に来て友達と遊ぶことです。22日からは弁当と水筒持参で保育を始めることが出来ました。友達の顔を見ると嬉しそうににっこりと笑いました。園は少しの被害ですみました。
園児たちが楽しく過ごせる「こひつじ園」であることを願いながら新年度も職員一同頑張って行きます。私たちの園の目標は「明るく、元気に、のびのびと」です。
新年度、新しい友達を迎えました。慣れるまでは初めての園生活に親子共々に不安があると思います。でも、一ヶ月も過ぎれば楽しさを覚えてきます。子どもは成長します。
私たちも子どもに負けないで前進していきましょう。